あと数分で、アメリカ大統領選の初戦、アイオワ党員集会が始まります。私がいるロサンゼルスはまだ夕方5時ですが、アイオワ州は中央時間帯なので2時間早い。ちなみに、アイオワの場所は五大湖の西南。南北をミネアポリスのあるミネソタ州と、セントルイスのあるミズーリ州に挟まれた州です。なお、今夜のアイオワ州は「雨または雪」。これが、結果にどう影響するか?
すでに、アイオワの人々が集会所に集まっっています。
集会前の最終調査では、
*共和党/ドナルド・トランプが7ポイントの差で、テッド・クルーズ上院議員を抜きトップ。
*民主党/ヒラリー・クリントンとバーニー・サンダース上院議員が並んでトップ。CNNでは「Neck to Neck(互角)」と表現。
さあ、ヒラリーさん、大変だ。やはり間際に国務省が発表した「私用メールに極秘情報」が尾を引いているのでしょうか?
ギター片手に歌っているのは、民主党候補のマーティン・オマリー前メリーランド知事ですが、こうなると、この人に俄然注目が集まります。というのもーー↓
一般の選挙同様、選挙民(この場合は党に登録している人のみ)が支持者名を書けばいいだけの「共和党」と異なり、アイオワにおける「民主党」の方法がやや複雑だからです。
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民主党の集会所は、アイオワ州内に1,681カ所。
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各集会所で選挙をする。この際、投票数が15%に達しなかった候補者は、〈落っこち〉と見なされる。
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〈落っこち〉に投票した人に、30分の時間が与えられる。
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この人々は、新たに〈落っこち〉していない候補者に投票する。
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以上の作業が終わった集会所から、結果を本部に報告していく。
オマリーの支持率は、最終調査でもひとケタ。となると九分九厘、多くの集会所で再選挙が行われることになり、それらの票が、ヒラリーかサンダースに流れるわけです。これが、オマリーに注目が集まっている所以。実際、2008年のアイオワ党員集会で、ヒラリーは、このアイオワ独自の仕組みにより、予想外の3位にとどまるという屈辱をあじわっています。
さて、そのオマリー、上の写真では呑気そうに見えますが、決してそうではありません。初戦の重要度を痛いほどわかっている各候補者は、アイオワの人々を喜ばせるためなら、歌だって歌うし、踊りだって踊るのです。昔、「サタデー・ナイト・ライブ」のコントにこんなのがありました。ある昼下がり、アイオワの片田舎の主婦がソファで新聞を読んでいると、次々に大統領候補が現れて、頼みもしないのに掃除、洗濯、娘の宿題、雪掻きなどを、親切にやってくれるという内容。さもありなん。
有力候補者たちは、今夜、アイオワにとどまるようですが、来週火曜に控えた予備選のために、ニューハンプシャーに移動した人々もいます。ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事やジャック・ケーシックオハイオ州知事がそうで、今夜から早くも現地で対話集会を持つそう。
あ、各集会所の扉が閉じられたみたい。ライブ速報②もお楽しみに!