私にもわかる(かな)アメリカ大統領選#2016

アメリカ新大統領の誕生は2016年11月8日。在ロサンゼルスのノンポリが、渡米16年目にして初めて大統領選を追っかけます。大統領選、私にもわかるかしら?


ロサンゼルスに住む私が考える「トランプは大統領になるか?」

 ユーチューブで日本の特番を見ていたら、ドナルド・トランプのことばかり報道していますね。「トランプが大統領になりそう、なるかも」といった論調が多い。まあ、その方が視聴率が取れるので煽っているのでしょうが、アメリカに暮らしている私の感覚はちょっと違います。昨日、FBIが「ヒラリー・クリントンEメール捜査終止符」と発表した時点で、勝負はついた!です。

 確かに世論調査では、トランプヒラリーは拮抗しています。が、大統領選は選挙人の数を争うのです。昨日までだって、選挙人の数ではトランプが負けていました。そこに、FBIのこの発表ですから「ない」と思いますよ、トランプ大統領は。 

 アメリカは広い。私が住んでいるロサンゼルスみたいな都会はほんの一部で、地方に行くほどトランプの人気は凄いいんだというのは、これ、事実です。現に、私は、わけあってこの2年ほど、ロサンゼルスとカリフォルニア州中部の砂漠地帯を半々で暮らしているのですが、砂漠に近づくにつれて、トランプの選挙看板が劇的に増えます。だから、FBIの終了宣言さえなければトランプ大統領はあったかもしれない、と思います。

 でも、もう遅い。

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 とはいえ、日本の特番によると、日本ではなかなかトランプ人気の背景が見えないようなので、「トランプはなぜ人気があるのか?」を、改めて考えてみたいと思います。

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【トランプのこういう態度が好き】

  • シンプル&ストレートな言説。TVで鍛えた反射神経でバシッと物事を言う姿勢が、ポリティカリー・コレクト(政治的に正しい言動)であることに疲れたアメリカ人の心を鷲掴み。
  • 大成功したビジネスマン」というウリが、「だから、政治や外交もうまくやるはず」という期待を抱かせる。なお、概してアメリカ人は、日本人より「金持ち」を尊敬する傾向にあると思います。「金持ち=努力した人=尊敬に値する」という公式が、気後れすることなく成り立っている社会か、と。
  • 政界初心者」の新鮮なイメージ。人々は、ヒラリーの金権体質や業界との癒着にうんざり。その点、ピンで立ってるトランプには好感が持てる。
  • 劇場的、スペクタルなエンターテインメント性TVを見ている感覚で、ついついトランプに惹かれてしまう。

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【トランプのこういう主張が好き】

  • 移民に対する厳しい政策簡単に言うと、不法移民の賃金は安い。その安価な労働力に仕事を奪われたり、賃金デフレに直面しているアメリカ人が、日本で考える以上にたくさんいる。それに、そもそもトランプは、すべての移民を追い出すと言っているわけじゃない。「違法入国」を取り締まると主張しているのだから、正論じゃないか!
  •  保護主義外国からの輸入品を抑え、国内で製品を作って、売る。また、節税のために海外に経理機能を置く企業を、アメリカに戻す。これらにより、国内の雇用を増やす。これまた、正論じゃないか!
  • イスラム教徒に対する厳しい政策「イスラム教徒」と「イスラム過激派」を、一緒くたにして捉えているアメリカ人は多い。基本的にキリスト教社会なので、イスラム教がわからない。テロが頻発しているし、入国時にちゃんと検査しようというトランプの主張のどこが悪い?!
  • Make America Great Again.トランプが掲げる「アメリカを再び偉大な国に」というスローガンが、「二番」に慣れていないアメリカ人にアピール。特に、IT化や単純労働の国外発注に押され凋落著しい白人ブルーカラー層の肝に響く。

 人気の秘密はこんなところかと思います。ちなみに、「正論だ!」と言っているのは私ではありませんので(笑)。 

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 本日、民主党からメールされてきた広報(↑)。「トランプは、女性、ラテン系&アフリカ系アメリカ人、、イスラム教徒、退役軍人とその家族、障害者を侮辱し続けてきた」と書いてあります。その通りです。したがって、明日の大統領選挙は「こんな人に投票できない」というアメリカ人が過半数を占めるという「正論!」に行き着くと、私は思うのです。

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