私にもわかる(かな)アメリカ大統領選#2016

アメリカ新大統領の誕生は2016年11月8日。在ロサンゼルスのノンポリが、渡米16年目にして初めて大統領選を追っかけます。大統領選、私にもわかるかしら?


私にもわかる今日の米大統領選、ここがポイントだ!

 

 おはようございます。いよいよ米大統領選の投票が始まりました。ヒラリー・クリントンドナルド・トランプ、両候補ともすでに投票を済ませています。

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  朝8時半頃、地元ニューヨークで投票を済ませたヒラリーさん。早朝からバッチリ、メイク。女は大変ですよね。化粧したらしたで「厚化粧」、しなきゃしないで「化粧のひとつもしないで」と文句を言われちゃうんだから。

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 ヒラリーさんから数時間遅れで、やはり地元ニューヨークで投票したトランプさん。もちろんノーメークです。

【今日、想定される2つのシナリオ】

  投開票は、ニューヨークやボストン、フィラデルフィアがある東海岸から始まります。アメリカ国内には3時間の時差があるので、時間の早い東から徐々に投開票をし、最後はロサンゼルスやサンフランシスコのある西海岸で終了します。

 さて、今日の選挙を左右すると言われているのが、最も東にあるフロリダ州ペンシルバニア州と、東から2番目にあるオハイオ州。そこでーー、

▪️「シナリオ①」は、開票が早いこれらの州でヒラリーがひとつでも勝った場合。ヒラリーが大統領になる可能性大で、早期決着です。

▪️「シナリオ②」は、反対にトランプが3州で勝ち続けた場合。決着はもつれ込み、長期戦に突入します。

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 ↓は、政治サイトPOLITICOによる全米結果マップ。結果が出た州の色が徐々に変わっていくのでわかりやすいです(現時点ではまだ真っ白)。

www.politico.com

【今日憶えておくべき大事な2つの数字】

 今日憶えておくべき数字は、ズバリ2つ。選挙人総数=538人と、勝者=選挙人270名を取った方。538と270、この2つを憶えておけば報道に着いていけます。あるいは、この数字を物知り顔で言えば職場で尊敬されます。 

 【限りなく直接選挙に近い間接選挙】

 大統領選は、限りなく直接選挙に近い間接選挙です。

  1. 有権者は、各州(一部地域)で、自分が支持する大統領候補に投票すると事前に誓約した選挙人に投票する。
  2. 当選した選挙人は、来月中旬に有権者に誓約した候補者に投票する。

 今進行中なのは①。正式に正副大統領が決まるのは②時点ですが、実質的には①、つまりあと数時間後に決定します。

【勝者総取り方式】

 エキサイティングなのが、得票数の集計が「勝者総取り」で行われること。つまり、各州において選挙人をひとりでも多く集めた方が、その州の選挙人総数をゲットする仕組みです(メーン州、ネブラスカ州と首都ワシントンDCを除く)。選挙人数は州によって3~55人。だいぶん違いますね。もっとも少ないのがアラスカ州で、最多はカリフォルニア州。そして選挙人総数=538人過半数の270人以上をゲットした方が大統領です。はい、だから538と270、2つの数字が大事なのです。

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【安パイ州と競り合い州】

  ところで、ヒラリー民主党がトランプ共和党が選んだ大統領候補です。で、民主、共和の両党には歴史的に地盤のかたい、つまり確実に勝てる「安パイ州」と、どっちに転んでもおかしくない「競り合い州」存在します。これに関しては、NHKのサイトがわかりやすいので参考にしてください。下の「“青い州”と“赤い州”」のセクションです。

アメリカ大統領選挙|NHK NEWS WEB 

【競り合い州と選挙人数】

「安パイ州」とそこの選挙人数を加算していくと、ヒラリーがかなり有利です。もうここまで来たら、「全米平均支持率」は関係ありません。「勝者総取り」の数字マジックです。ここで、大事になってくるのが以下の「競り合い州」。とくに選挙人が多い州ほど大事です。

  • フロリダ 29名
  • オハイオ 18名
  • ヴァージニア 13名
  • テネシー 11名
  • ミズーリ 10名
  • コロラド 9名
  • ルイジアナ 8名
  • ケンタッキー 8名
  • アーカンソー 6名
  • ネバダ 6名
  • ウエストヴァージニア 5名

 ヒラリートランプが、盛んにフロリダ州オハイオ州に通っていた理由がわかりますね。

 この他、普段はどちらかの党が強いけれど、今回は拮抗しているのが、

  • 民主党(ヒラリー)/ペンシルベニア(選挙人数20名)、ミシガン(16)、アイオワ(6名)
  • 共和党(トランプ)/テキサス州(選挙人数38名)、ジョージア(16名)、ノースカロライナ(15名)、アリゾナ(11名)

  トランプの方が心配な州が多いですね。ヒラリーは、昨夜の最終演説をペンシルベニア州フィラデルフィアで締めくくりましたが、それは「競り合い州」だからです。

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 ↑ブルース・スプリングスティーンも、ヒラリーの最終演説会を援護射撃。

 一方のトランプが昨日あちこちの州を遊説したのは、テコ入れすべき「競り合い州」がたくさんあるからです。

  なお、両候補の地元で東海岸の大票田、ニューヨーク州(選挙人数29名)と、西海岸の大票田、カリフォルニア州(55名)は、ともにヒラリー勝利が予想されています。私がいるカリフォルニアにいたっては、ここ最近、トランプのテレビCMはほとんど流されませんでした。つまり、トランプにとっては「捨て州」、だから節約したのです。ニューヨークカリフォルニア、東西の大票田をがっちりおさえているヒラリー。有利と言われる所以であります。

 さあ、最初の出口調査締め切りまであと2時間を切りましたー!

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