民主党大会2日目のメインイベントは、Roll Callです。Roll Callって、辞書では「点呼」や「出席調べ」と訳されていますね。でも、この場合は「開票」と訳していいんじゃないかしら。つまり、Roll Callとは、アルファベット順に、州や地区が特別代議員の投票結果を報告すること。結果を伝えるだけだから簡単と思うでしょ? でも、長いんだなあ、これが。だって、報告の前に各人がお国自慢や政治信条を語っちゃいますから。故に全1時間半。でも、とてもおもしろかったです。たとえば、(↓)のおばあさま。
どこの州かは忘れましたが、得票数を発表するこの人からは、「私の一票が政治を決めるのよ!」といった誇りが感じられ感動的ですらありました。実際、ある州の年配男性は発表時に涙ぐんでいたし、また、それを見ていたバーニー・サンダースの目にも光るものがありました。なお、代議員とは、写真(↑)のような普通の老若男女です。自費で大会会場まで来ているみたい。
代議員と特別代議員をあわせた得票数は、ヒラリーが2,842票、サンダースが1,865票。全州、地区からの報告を受け、「ヒラリー・クリントンを民主党大統領候補に指名する」と宣言したのは、誰あろうサンダースでした。
この後、議長が「これで良い人は?」「オー!」「嫌な人は?」「オー!」と、原始的な点呼をして、Roll Callは終了しました。アメリカで初めて、大政党から女性の大統領候補が指名された瞬間です。予備選段階から感じていたのですが、大統領選は昔ながらのやり方を大事に踏襲していますね。歴史に対する尊敬の念なのでしょう。ちゃっちゃか行えばすぐに終わる開票に、これほどの時間をかける。民主主義を守っていくのは、並大抵のことではないのですね。
この日はその後、ビル・クリントン元大統領の演説も。言わずと知れたヒラリーの夫です。だいぶん枯れましたね。40分にわたり、ヒラリーとの大学時代の出会い、ともに歩いた40年の日々を延々と。妻のこと、褒めまくりでした。これ、日本でやったらアホかと思われますが、アメリカでは、一般人も人前で平気で家族を褒めます。私などは、大統領になりたい妻を夫が貶そうはずもなく、こんなコーナー、無意味ないじゃんと思ってしまうのですが。しかし、アメリカ人は自分が家族を褒めるのも好きなら、他人が家族を褒めるのを聞くのも好きみたいです。
これは最終日の模様ですが、クリントン夫妻の娘、チェルシーも登場。父同様に、ヒラリーを褒めまくりました。 なんだか、日本の結婚式で、新婦による両親への感謝の手紙を聴くのに似たものがーー。
懐かしい顔も登場。民主党の大統領候補指名を争ったひとり、マーティン・オーマリー元メリーランド州知事です。可もなく不可もなくの演説でしたが、あいかわらずハンサムなので写真を掲載します。好きだ、この顔\(^o^)/。