1カ月以上も日本で怒濤の地方出張を続けていたため、長いことブログを更新できませんでした。ようやくアメリカに戻り、時差ぼけも落ち着いたのでまた書き始めます。
まさしくツンドクと化した不在中の新聞の山。ちょっとずつ読んでキャッチアップしま〜す。
民主党(ヒラリー・クリントンが所属する党)が流している反ドナルド・トランプ・キャンペーン。「トランプ大統領が、共和党議会と組んでやっちゃう政治を想像してみよ!」
だけどなんですね、日本に行く前は、これほどネットが発達しているのだから大統領選情報も簡単にゲット!と考えたのですが、そうもいかなかったですね。いえいえ、確かに情報は入るんです。ただ、何と言っても時差があり、その上、たとえば朝起きて読むのは日本の新聞で、テレビだって自然と日本の番組を見るわけでーーこうなると、人間1日24時間しかないから、どうしてもアメリカ情報から遠ざかります。それに、スーパーのレジに並びながらとか、ジムのジャグージーに入りながらとか、そういう時に漏れ聞こえてくる人々の話の大事さも痛感しました。やっぱり「取材は現場」なんですよね。
さて、アメリカに戻ると、すっかり〈風景〉が変わっていました。
- バーニー・サンダースの話題が極端に減少。
- トランプ批判が増加。
- 結局はヒラリー大統領の雰囲気。
トランプ批判が増えた背景には、こんな事柄があります。
- 不動産投資講座「トランプ大学」(授業料約350万円)の受講生による授業料返還訴訟が始まり、内容のインチキさが露呈。
- 同訴訟を担当するメキシコ系米国人、ゴンザロ・クリエル連邦地裁判事に対して、トランプが人種差別的発言。
- この場に及んでのコーリー・ルワンドウスキ選対本部長のバタバタ更迭劇。
- 被害者が告発する詐欺まがいの不動産取引。
- フロリダ銃乱射事件後に、(従来通り)銃規制反対の意見表明。
- トランプが本当に大統領になったら大変と、多くのメディアがトランプにネガティブな情報を積極的に報道。
結果、最近の各種世論調査では、ヒラリーが5〜7ポイントの差でトランプに勝っています。
トランプの詐欺まがいの不動産事業を報道する新聞。
ところが、英国の国民投票でEU離脱が決定したことで、また流れが変わってくるかもしれません。実際、結果を受けたトランプは、「英国民は主権を取り戻した!」と上機嫌。
辞意を伝えるキャメロン英首相。この人が、結果的にトランプにエールを送ったことになる? その答えが出るのは11月。
英国の離脱派は、「移民の流入や経済のグローバル化で損をしている」と感じている人々です。これすなわち、トランプ支持者の意見。もちろん彼らは、トランプの保護主義的経済政策にも賛同しています。英国のEU離脱も極端な保護主義も、いずれは経済的損失に繋がるように思いますが、この人たちは「もともと経済の恩恵を受けていない!」と感じているので意にかえさず、です。
ざくっと言えば、トランプは「閉」、ヒラリーは「開」のイメージ。あくまでざくっと言えば。
という流れの中で、アメリカ国民が「英国も離脱した。うちも同じ道を」と考えるのか? あるいは、「英国は英国。うちは開かれた米国で」と考えるのか? これによって、ヒラリー/トランプのどちらが大統領に選ばれるかが決まるように思えます。
なお、元ペンシルバニア州知事のエド・レンデルは、こんな大胆予測をしています。
「若くてDカップな女が好きというトランプのイメージが、いずれ首をしめる。なぜなら、おそらくアメリカには美人よりブスの方が多いからだ」
案外、この人の予測がビンゴだったりして。