私にもわかる(かな)アメリカ大統領選#2016

アメリカ新大統領の誕生は2016年11月8日。在ロサンゼルスのノンポリが、渡米16年目にして初めて大統領選を追っかけます。大統領選、私にもわかるかしら?


トランプの独走とサンダースの粘り

 謎の熱で寝込んだり、コンピュータを忘れて旅に出たりとポカを繰り返している間にだいぶん日にちが経ってしまいました。共和党では、テッド・クルーズジョン・ケーシックが続けざまに撤退。あまりの〈あっさり〉に驚きました。とにかく現状を見てみましょう。

【共和党】

  •  ドナルド・トランプ 獲得代議員 1,086
  •  党から指名されるために必要な過半数 1,230

 トランプ、あと144で目標達成です。なんたって敵がいないんだから強い! 今後は数字を積み重ねるだけです。私は、他候補が撤退した時点で「もう予備選は打ち切り=トランプに決定」かと思ったりしたのですが、そうではないんですね。過半数を獲得するまでやり続けるんだそうです。なぜなら、極端な話、選挙民が彼に投票せずに「否認」することもできるわけで。結果が歴然としていても、ちゃんと段取りを踏むのが民主主義というものなのでしょう。

 そういえば、3週間くらい前に外出先から自宅に戻ると留守番が入っていました。録音再生ボタンを押すと、「ハーイ! アイ・アム・ドナルド・トランプ!」。のけぞりました。本選挙に向けて、今後はこの手の電話が増えるのかな。

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  普通に事が運べば、トランプは6月7日に過半数を獲得します。この日、共和党は大票田のカリフォルニア州の他、ワシントン、モンタナ、ニュージャージー、ニューメキシコ、そしてサウス・ダコタの各州で予備選を行います。

 

【民主党】

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 4月26日のスーパー・チューズデーで王手!のはずのヒラリーが、その後伸び悩んでいます。あれからのヒラリー・クリントンバーニー・サンダースは〜。

【二人の獲得代議員数】

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 サンダースも粘るね。イエーイ! ただし、サンダースには、民主党から「党をまとめるためにさっさと降りろ」という重圧がかかっています。しかし、降りません。なぜならサンダースは、7月の党大会で自らの革新的政策を議題に挙げ、ひとつでも多く党の方針にするという野望があるからです。こうなると、ヒラリーが大統領になった場合、サンダースが中枢部に入れなくなる可能性もあり、政治家としてはリスキーです。が、サンダースそんなこと気にしていないみたい。

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 バーニー・サンダースは、以前から髪がくちゃくちゃになる傾向がありましたが、最近は激しくくちゃくちゃです。好き。

 サンダースがこれほど粘れる背景には、インターネットによって選挙の在り方が変化したことが大きいです。これはオバマ政権誕生時から顕著になったことですが、今の選挙戦では、ネット経由で小口の寄付をコツコツと集めたり、ソーシャル・ネットワークを駆使し広告代を費やさずに宣伝ができます。昔だったら、サンダースのようにトップに大差をつけられた場合、「資金が尽きて撤退を余儀なくされたはず」と、どこかの新聞が書いていました。サンダースの支持者やスタッフには若い人が圧倒的に多く、ネットは得意です。

 一方、ヒラリー陣営は、日本円にして1億円強かけて「ネット退治」すると発表。ヒラリーに対するネット経由の間違った誹謗中傷を訂正するんだそうです。確かにネット情報は不正確なことが多いです。私のこの記事にしても、普段出版社経由で発表するのと違い校正者や校閲者を通していません。だけど、ヒラリーさん、なんか陰険じゃない?

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 意外にも身体的リズム感があるヒラリーさんの演説。この人、ダンス、うまいかも。

  さて、トランプの勝利が決定的になった共和党。先週木曜には、トランプポール・ライアン下院議長がサシで話し合いました。テレビ局はあっちもこっちも、「Trump」印の飛行機(トランプは専用機で全米を移動)がワシントンDCに到着する様子を一日中報道。まさに「王様ご到着」の観あり。この会談については後日書きます。

 おっと、たった今、バーニー・サンダースの選挙本部からメールが。明日、サンダースがうちの近くのテニスコートで集会をする由。あー、残念だー。私は今朝、ロサンゼルスを出て成田に向かうのです。この旅程は去年から組んでいたんだけど、あー。あの頃、私はサンダースの存在さえ知らなかった。全米に私のような人(最近になってサンダースを知り好きになった)はたくさんいると思います。

 では、次回は日本から。