以前にも記しましたが(↓)、ここでもう一度、バーニー・サンダースの経歴や政治信条、人となりを紹介したいと思います。
この人がサンダース。スローガンは「Political Revolution(政治革命)」、「Enough is Enough(もうたくさんだ)!」「Feel the Burn(熱さを感じよ。名前のBarnieとBurnの掛詞)」。
立候補時ほぼ無名だったサンダースも、今は大ブレイク。ロサンゼルスの街には「Feel the Burn」をパロッたエイズ・ヘルスケア財団のビルボードまで出現。感染症になると焼けるように泌尿器系が痛む。「痛みを感じたらすぐに検査を」と呼びかけている。from LA Times
【略歴】
- 1941年/ニューヨーク、ブルックリン生まれ。両親はユダヤ系ポーランド移民。
- 1964年/シカゴ大学政治学部卒後、バーモント州に住む。在学中に差別反対運動で逮捕される。大工、映画製作者、作家などの職業を経験。
- 1981〜89年/バーモント州バーリントン市長。
- 1991〜2007年/バーモント州より下院議員に選出。
- 2007年/上院議員に。
- 2015年/従来は、民主党と院内会派を組む無所属だったが、大統領選出馬に際し民主党に入党。
- 自家用車は小型のシボレー。過去にレコードを出したこともあるが、「あれは最低だった」(本人)。妻子の他に孫もいる。
【 政策】
自称「民主的社会主義者」。極めてリベラル&革新的で公約は(↓)。
1)公立大学の授業料無料化。
2)全国の最低賃金を15ドルに。
3)死刑反対(ライバルのヒラリー・クリントンは賛成)。
4)病欠の有給化(含・家族ケア、長期療養)。
5)賃金の男女平等。
6)徹底的な政治資金規制。
7)不法移民の合法化(ドナルド・トランプの〈国境の壁〉には反対)。
8)徹底的な温暖化対策。
(↑)に対し、民主党内保守で「中道」をいくヒラリーは、「口約束。もっと現実的な政策を」と批判。私個人としては、気持ちはわかるけれどサンダースは、「民主的社会主義者」と自称しない方が得策と感じています。なぜなら、たとえ頭に「民主的」と付けても、「社会主義」という単語に、絶対的拒否反応を示すアメリカ人がとても多いからです。
「Rolling Stone」誌の表紙を飾ったサンダースとヒラリー。接戦が続く。
以下は、サンダースの政治信条について1カ月ほど前の「週刊文春」で言及した宮崎哲弥氏の文章要約です。
サンダースはーー、
- 社会主義者ではなく、歪んだ資本主義を修正しようとしている。
- 5年で計1兆ドル(約110兆円)の公共投資を公約。1,300万人の雇用増を目指している。
- これこそ「反緊縮財政」で、リベラル経済政策の真骨頂である。
朝日新聞によれば、仏経済学者でベストセラー『21世紀の資本』著者のトマ・ピケティも、「ルモンド」紙上でサンダースを熱烈支持した由。
「サンダース氏の勝利は阻まれてしまうかもしれない。だが近い将来、彼のような、でももっと若く、白人でもない候補者が大統領選で勝ち、国の『顔』をすっかり変えてしまう可能性があることが証明された」(朝日新聞2月24日朝刊の抄訳より)
【 支持層】
支持者の圧倒的多数は若い人々。熱狂のあまり時に暴走し、大人たちの眉をしかめさせることも。また、政治の停滞や政党政治の腐敗に嫌気がさした無党派層も支持基盤(この点はトランプの支持層と重なる。政治思想は正反対ながら)。私は、サンダースの台頭に、弱肉強食、力と金のある者がえらいと、長い間考えてきた大国の大きな曲がり角を感じています。