昨夜は民主党が、アラスカ、ワシントン、ハワイの3州で党員集会を開催。時差の関係で最後に投票されるハワイの結果を見てからリポートするつもりが、花粉症にやられていつの間にか寝てしまったです。ロサンゼルスは、砂漠からなんだかわからない花粉が吹いてきて、慣れない私はどーにもなりません。
さて、バーニー・サンダース大勝でした! 3州全部で勝ちました。代議員獲得数は↓です。
特に、アラスカとワシントンはぶっちぎりです。3月15日のスーパー・チューズデー後には、「ワシントン・ポスト」誌が「Bye bye, Bernie」という見出しまで掲載しましたが、どっこいサンダース、踏みとどまっています。
↑は、土曜、ポートランドで演説中のサンダースのもとに、突然舞い降りた小鳥。ピーちゃんもサンダースを応援しておるよ。なかなか可愛いので是非クリックして見てください。 ↓スーパーのレジ脇にあった「Rolling Stone」誌。ヒラリー(左)もサンダース(右)もサマになっていますね。
サンダースが大勝した理由はなんだったのか? 各報道をまとめると、こんなところかと思います。
- ワシントン州(ホワイトハウスがあるワシントンDCではありません。シアトルがある州)はリベラルな気風なので、もともとサンダースが勝つと言われていた。
- 3州すべて、サンダースの支持層である高等教育を受けた白人有権者が多い。
- サンダースは予備選より、迷っている有権者を説得できる党員集会に強いが、昨日の3州はすべてその党員集会だった。
- 「サンダースには勝てる」と判断したヒラリーが、サンダースよりもトランプを意識した選挙戦を始めた(要はサンダースを甘く見た)。
さらに、少額寄付を集めたサンダースの政治資金は潤沢。2月の寄付金はヒラリーを上回ったと伝えられています。つまり、まだまだ粘れるのです。それ故か、今日のマスコミのトーンは、「A long way to go」=選挙戦は長い、まだどうなるかわからない。「バイバイ」から少々モードが変わりました。
そういえば、何週間か前の「週刊文春」でも、宮崎哲弥氏がサンダースを取り上げていましたね。要約すれば、
サンダースは、
- 社会主義者ではなく、市場メカニズムや経済成長は否定していない。
- 歪んだ資本主義を修正しようとしている。
- 5年で計1兆ドル(約110兆円)の公共投資を公約。1,300万人の雇用増を目指す。
- これこそ「反緊縮財政」で、リベラル経済政策の真骨頂。
宮崎氏はまた、2月14日の「ルモンド」紙でトマ・ピケティが、サンダースを熱烈支持していることも紹介しています。孫引きします。
「サンダース氏の勝利は阻まれてしまうかもしれない。だが近い将来、彼のような、でももっと若く、白人でもない候補者が大統領選で勝ち、国の『顔』をすっかり変えてしまう可能性があることが証明された」(朝日新聞2月24日朝刊の抄訳より)
いい感じですねえ。とはいえ、サンダースが苦戦しているのに違いはありません。現状の代議員獲得総数は↓。
民主党から大統領候補に指名されるためには、2,383の代議員が必要です。次のウィスコンシン州(4月5日/96代議員)はサンダースの優位が伝えられています。しかし、その後に控えるニューヨーク州(4月19日/291代議員)はヒラリーの地元。ここは、ヒラリーさん、意地でも落とさないでしょう。代議員数291ですから大票田です。
ところで、全州最大の票田は我がカリフォルニア州で、なんと546代議員。投票日は6月7日とまだ先ですが、先週はサンダースが集会を開きましたし、ヒラリーは4月に、ジョージ・クルーニー夫妻主催の資金集めパーティを開くと伝えられています。こちらは招待者のみ。セレブのパー券は、政治資金法の上限、1枚$2,700(約30万円)が普通とか。ヒラリーったら、がっぽりだわ。