私にもわかる(かな)アメリカ大統領選#2016

アメリカ新大統領の誕生は2016年11月8日。在ロサンゼルスのノンポリが、渡米16年目にして初めて大統領選を追っかけます。大統領選、私にもわかるかしら?


「スーパー・サタデー」&サンデーの結果と、共和党で始まった〈トランプ崩し〉

 先週の「スーパー・チューズデー」に続いて、昨日は「スーパー・サタデー」、そして本日日曜日も民主、共和両党ともに1州で予備選と党員集会がありました。日本から戻ったばかりの私はまだまだ時差ぼけで、寝ている間に状況が変化してびっくり、の連続です。めまぐるしいです。

【共和党】

 現状は、↓こんな感じ。獲得代議員過半数=1,237。

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 トップのドナルド・トランプは、背丈の低いマルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州選出)を、「Little Rubio」と言ってからかっています。そのルビオは、党の主流派や支配層からウケが良いものの、なかなか票を伸ばせずにいます。で、トランプは最近、「ルビオよ、もう降りろ!」と言い出しました。もちろん、2位のテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)にも異存はありません。でもでも、そのルビオ君、今日は踏ん張りましたよ。米自治領プエルトリコで圧勝です。この州の代議員数は〈トップの総取り〉なので、今日1日で23も伸ばした勘定です(上の数字は含・本日分)。

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  さて、ここで、4州で予備選が行われた昨日の「スーパー・サタデー」の結果をまとめてみましょう。

  • トランプがトップの州=ケンタッキー、ルイジアナ
  • クルーズがトップの州=カンサス州、メイン州
  • ルビオがトップの州=なし

スーパー・チューズデー」のようにトランプの〈爆勝〉とはいきませんでした。やはり〈トランプ崩し〉が影響したのでしょうか?  

 

【〈トランプ崩し〉とは?】

スーパー・チューズデー」後、トランプの独走に焦った共和党本部が、遂に(というか、ようやく)〈反トランプ〉の動きを鮮明にしました。

  1. まず、ミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事(2012年大統領候補)が、トランプを「ペテン師、偽物」とこき下ろし、大統領になれば、「国内は不況、外交はより危険になる」と演説。
  2. 続いて、ジョン・マケイン上院議員(2008年大統領候補)が、「ロムニー氏の懸念を共有する」と発言。
  3. また、共和党の外交専門家など約60人が公開書簡を発表し、トランプを「支持できない」。
  4. 他に、保守派団体「クラブ・フォー・グロース」が、巨費を投じ〈反トランプ〉広告を開始。

 この週末の結果は、これら〈トランプ崩し〉の反映かもしれません。しかし、当のトランプにとっては、ロムニーもマケインも所詮大統領選に敗れた〈負け犬〉。今さら、んなこと言われても、ちゃんちゃらおかしいといったところでしょう。トランプは、ロムニーを、「勝てる試合に負ける名人」とからかっています。それから、昨日メイン州を獲ったクルーズに対しても、「なんたってメイン州はカナダの隣だから、そら勝てるわな。おめでとう」と。はい、「カナダ生まれのクルーズは、アメリカ人じゃない(だから大統領になる資格がない)」なる自説を、別の形で表現したわけです。やはりトランプ、一筋縄ではいかないし、こういうところのトンチはけっこう面白い。

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↑民主党から私に送られて来たメール。「このままでは、この男が共和党の大統領候補に指名される」と警告しています。実際のメールは、トランプが上下に動く仕組み。本格政党がこんなものをメールするなんて、日本じゃちょっと考えられないですね。

 

【〈トランプ崩し〉の弱点】

 7月に予定されている共和党の党大会では、最初の投票は、ほぼすべての代議員が予備選で決まった候補者に投票します。その結果、ひとりも過半数(1,237票)に達する候補者がいなければ、2回目の投票が実施されますが、この時、初回とは別の候補者に投票することが可能です。

〈トランプ崩し〉の面々は、とりあえず、トランプクルーズルビオの3人に戦うだけ戦わせて2回目の投票までもつれ込ませ、2回目でトランプ以外を最終的なトップに、と考えているようです。が、問題は、そのトップ1名を〈いまだに〉絞りきれていないこと。それに、そもそも上記の方針も場当たりの感を否めません。本気で〈反トランプ〉するなら、現段階で一本に絞るべきと思われ、その意味では共和党にとっても、トランプが言う通り、現時点で「ルビよ、降りろ」が正解なのかもしれません。

 

【民主党】

 民主党は、今日、バーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が、メイン州で勝利しました。また、昨日の「スーパー・サタデー」でも、サンダースはネブラスカとカンザスで勝っています。一方、ヒラリーがこの2日間で勝ったのはルイジアナのみ。でも、なかなかヒラリーサンダースの差は縮まりません。

  • 獲得代議員過半数=2,383
  • ヒラリー/スーパー・チューズデー後 1,052 → この土日を経て1,129 
  • サンダース/スーパー・チューズデー後 427 → この土日を経て498

  というわけで、大差を付けてのトップに喜びの表情のヒラリー(↓)。昔の自民党の「歌のおねえさん(おばさん)」みたいですね。あるいは、美空ひばりが「♫お前に惚れた」の最後に、観客に向かってぐるぐると指を差す姿に似てなくもない。 

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【次の戦い】

 次の戦いはあさって火曜日です。

  • 共和党/ミシガン、ミシシッピー、アイダホ、ハワイ
  • 民主党/ミシガン、ミシシッピー