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私にもわかる(かな)アメリカ大統領選#2016

アメリカ新大統領の誕生は2016年11月8日。在ロサンゼルスのノンポリが、渡米16年目にして初めて大統領選を追っかけます。大統領選、私にもわかるかしら?


関ヶ原、「スーパー・チューズデー」はトランプが〈爆勝〉し、ヒラリーが微笑む

【共和党はトランプの〈爆勝〉】

 いやあ、驚いたというか、まいったというか。昨日火曜日、共和党が11州で、民主党が11州と米領サモアで予備選や党員集会を行った、大統領候補指名争いの〈関ヶ原〉、「スーパー・チューズデー」は、ドナルド・トランプの〈爆勝〉でした。日本から戻ったばかりの私は、時差ボケのままぼんやりとTVを眺めていたのですが、トランプ圧勝を報じる記者たちが、心なしか青ざめていたような。トランプが制したのは、11州のうち以下の7州。

  • アラバマ
  • アーカンソー
  • ジョージア
  • テネシー
  • バージニア
  • マサチューセッツ
  • バーモント

 学園都市、ボストンがあるマサチューセッツ州なんて知的なイメージなのに、あそこまでトランプです。アメリカを発った頃(2/14)は、「ウォールストリート・ジャーナル」他の調査で、こんなことが報道されていたのにーー「14~16日に行った全米世論調査で、共和党ではテッド・クルーズ上院議員の支持率が、前月比8ポイント増の28%で首位。トランプは26%と逆転を許した。主要調査で、トランプが2位に転落したのは昨年11月以来」。

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 あれからトランプは、サウスカロナイナとネバダを制し、昨日は〈爆勝〉。報道番組の司会者の中には「トランプ・チューズデー」と名付ける人までいた、それほどの大勝利でした。現在、トランプの獲得代議員数は319人。共和党の代議員数は2,472人で、過半数の1,237を取れば党から大統領候補に指名されます。このままの勢いでいけば、トランプが指名されるのです。青ざめているのは、記者たちだけでなく当の共和党本体のようです。

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 というのも、共和党有力候補とされたジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事が、サウスカロライナ州予備選の敗北を最後に撤退後、主流派の受け皿になると目されたマルコ・ルビオ上院議員が全然ダメダメだったからです。

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 ↑地元フロリダ州で、ミネソタ州トップを祝うルビオ(獲得代議員110人)。が、結局、昨日ルビオが獲ったのはこの州のみ。大票田の地元テキサス州とお隣のオクラホマ州、アラスカ州を制したテッド・クルーズ(獲得代議員226人)に、二番手をキープされたままの状態です。一方、クルーズクルーズで、頼みの綱のキリスト教保守派を束ねきれずモタついています。そして、両者とも、どちらかが降りて票を一本化する気配は今のところありません。ということはーー「too late。共和党はもはや、トランプを止められない」というのが、多くの識者たちの意見なのです。

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 ↑フロリダ州パームビーチの自身が経営する会員制リゾート「Mar-a-Lago Club」で、勝利会見するトランプ(from LA Times, 03/02/2016)。左後ろに、応援団のクリス・クリスティー・ニュージャージー州知事。大統領選から撤退したクリスティは、トランプ支持にまわり、ちゃっかり写真におさまる。この人、前からクサいと思ってたんですよね。あんだけ批判していたのに、なんで急にトランプ支持なのよ。「寄らば大樹」もいい加減にしてもらいたい。

 

 【共和党がトランプを止める法】

 ところで、今日の「日経新聞」では、コンサルタント会社経営者のゲーリー・シリング(知らないけど、この人)のコメントを紹介しています。

(共和党が)新たな候補者を外部から呼び込むことも考えられる。その場合、マイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長に共和党員に復帰してもらって出馬を要請するか、ポール・ライアン下院議長に出馬を依頼するなどのシナリオが考えられる。(中略)トランプ氏の躍進を阻止する動きが共和党内で活発になればルビオ氏やクルーズ氏、ブッシュ氏らも「トランプ氏以外の誰か」を選出するため協調するかもしれない。

 わー、物凄い荒技ですね。今ごろ、共和党内でいろいろ動いているのかな? だったら、なおさらおもしろいですね。

 

【民主党はヒラリーが微笑む】

 さて、もう一方の民主党といえば、ヒラリー・クリントン元国務長官の圧勝でした。

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 ↑ネバダ州、サウスカロナイナ州を制した勢いでスーパー・チューズデーも乗り切ったヒラリー(左)。以下は、ヒラリーが勝った8州・地域です。

  • アラバマ
  • アーカンソー
  • ジョージア
  • テネシー
  • バージニア
  • テキサス
  • マサチューセッツ
  • 米領サモア

 対抗馬のバーニー・サンダース上院議員が勝ったのは、地元のバーモント、オクラホマ、コロラド、ミネソタの4州にとどまりました。サンダースはニューハンプシャーの勝利後、ネバダとサウスカロナイナ両州でヒラリーに負けていますから、これは痛い。

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 ↑サンダースは昨夜、「残りは35州。戦い続ける」と宣言、選挙戦の続行を表明しました(from LA Times, 03/02/2016)。実際、若者を中心とする少額募金が募りに募って、2月の選挙資金は〈ヒラリー越え〉とも報道されています。

 しかし、民主党の指名を受けるためには、過半の2,382票をゲットしなければなりません。現在の両者の獲得代議員数は以下。

  • ヒラリー 1,052
  • サンダース 427

 サンダース、ここに来てだいぶん差をつけられましたね。すでに、オバマ大統領や民主党上院トップのリード院内総務が、ヒラリー支持を表明。党幹部や議員の間ではヒラリー支持が広がっている模様です。サンダース、これまでなのでしょうか?

 私が、今日もいつものようにリバビリ病院の待合室で新聞を読んでいたら(昨年大ケガをしました)、それを見た患者たちが大統領選の話を始めました。若い人たちは、サンダースの結果にガックリ。頭の中身を疑われるので、トランプ支持を声に出す人はひとりもいません(でも、胸中では支持してたりするのです。でなきゃ、トランプがこんなに勝つわけがない)。意外だったのは、年配者たちが、盛んにサンダースを批判していたことです。いわく、「あいつは元ヒッピーだろ。俺たちが、朝早く起きて真面目に会社勤めしていた時に、髪を伸ばしてプラプラしてた奴に、今さら『国を変えよう』って言われてもよぉ」ということらしい。なるほどね。若者に圧倒的支持を受けるサンダースの弱みは、大人たちの票を伸ばし切れないことなのです。

 ヒラリーの頭からはすでにサンダースは消えたようで、昨日の勝利宣言でも、「敵はサンダースにあらず」とばかりに(この人は、こういう聡すぎるところが鼻につくんだよね)、トランプ批判を続けていました。やっぱり、民主党はヒラリーなんですかね。

 

【次の決戦は3月5日】

 さて、明日は共和党のTV討論会。2日あけた3月5日は、民主党がカンサス、ルイジアナ、ネブラスカの3州で、共和党がカンサス、ケンタッキー、ルイジアナ、メインの4州で予備選や党員集会が開かれます。その後も続々。詳細は以下。

http://www.nytimes.com/interactive/2016/us/elections/primary-calendar-and-results.html?_r=0