いやあ、凄い一夜でしたね、アイオワ党員集会(アイオワ・コーカス)。大接戦とはこのことで、民主党にいたっては、今朝になってもまだ得票率が確定しないペンデイング状態。結果が公表されたのは、アイオワ現地時間のお昼頃でした。以下に結果を記します。
*なお、リストに「獲得代議員数」と書きましたが、ここで大統領選の仕組みを簡単に説明するとーー大統領選では、各候補者の得票率に応じて、獲得する「代議員」の数が決定されます。各候補は、アイオワを皮切りに全米で党員集会や予備選を重ね、その都度、得票率や州のルールにしたがい「代議員数」を積んでいきます。最終的には、代議員数が過半数を超えた候補者が、その党の大統領候補に指名される仕組みです(ああ、ややこし)。
- 【民主党】
- ヒラリー・クリントン 得票率49.9%/獲得代議員数23
- バーニー・サンダース 得票率49.6%/獲得代議員数21
- マーティン・オマリー 得票率0.6%/獲得代議員数0
ヒラリーとサンダースの差は、実に0.3%。代議員獲得数もたった2名の違いです。ただ、合計してなんで100%にならないの? 謎( ̄ー ̄)。昨夜のうちに選挙戦撤退を表明したオマリーは置いといて、この数字の評価は2つに分かれます。1)サンダースの予想以上の健闘で、ヒラリー危うし。2)アイオワはリベラルな州だからサンダースに有利だった。全米の中道保守層を鑑みれば、ヒラリー安泰。
- 【共和党】
- テッド・クルーズ 得票率27.6%/獲得代議員数8
- ドナルド・トランプ 得票率24.3%/獲得代議員数7
- マルコ・ルビオ 得票率23.1%/獲得代議員数7
- ベン・カーソン 得票率9.3%/獲得代議員数3
- ランド・ポール 得票率4.5%/獲得代議員数1
- ジェブ・ブッシュ 得票率2.8%/獲得代議員数1
- カーリー・フィオリーナ 得票率1.9%/獲得代議員数1
- ジョン・ケーシック 得票率1.9%/獲得代議員数1
- 以下、獲得代議員数0の候補者が続くが省略。
昨夜、各報道機関は、*トランプが負けたこと、*クルーズの勝利はキリスト教右派票などを集中して報じていましたが、一夜明けると、注目の的はマルコ・ルビオに。もともとクルーズとトランプの首位争いは予想されていたけれど、ルビオがここまでやるとは思わなかったってことらしい。「今後は三つ巴」という評価を超えて、「最後はルビオ」なる声さえあちこちから聞こえてきます。にしても、不甲斐なかったのがブッシュです。「ワシントン・ポスト」紙によると、1票獲得あたり5,000ドル(約60万円)かかった計算になるとか。
ところで、党員集会って実際にはどんななんでしょう?
Watch a Democratic caucus in 360º
共和党は、普通の選挙とそれほど変わらないようですが、アイオワの民主党党員集会はとても特殊です。1)体育館や市民ホールなど、指定場所に集まった人々は、支持する候補者の名前が書かれた場所の前に立つ。2)その場所で支持の理由を述べ合う。3)迷っている人は、あちこちを訪問したり意見交換したり。4)立っている人の数を数えた後、得票率が15%未満の候補者は〈落っこち〉。その候補者を支持した人は、〈落っこち〉していない候補者の前に立ち直す。5)その際に迷っている場合は、またあちこちを訪問したり意見交換したりる。——これまた、ややこしいですね、150年前のやり方をそのまま踏襲している由。
本日、各候補者はすでに、9日に予備選が行われるニューハンプシャー州に入っています。疲れを知らないというか、興奮状態なんでしょうね。
サンダースにいたっては、昨夜アイオワを発ち、朝まだ暗い5時に戸外演説すらしています。74歳ですよ、タフですね。ヒラリーだって68歳。68歳っていうと、日本だといしだあゆみとかがその世代でしょ。日々痩せていくあゆみちゃんに較べて、ヒラリーさん、選挙運動に入ってから増量している感じ。凄いわ。
そして明日は早速、民主党の対話集会。出席はヒラリーとサンダースです。私は明日、外出続きなのでどこまでお伝えできるか。なるべくツイートします。