共和党大会、最終日の昨日、ドナルド・トランプが、党による大統領候補正式指名後、初めての演説を行いました。実は私、おととい徹夜で働いたため演説時には寝ていました。夜中にトイレに起きて家人に「どうだった?」と訊くと、「実に長かった」。今朝の新聞によれば、70分も話したようですね。これって〈最長記録〉だとか。トランプの演説を含む最終日の様子は後ほどお伝えします。
ここでは、遅ればせながら3日目(テーマ=「Make America First Again」)の報告です。この日のポイントは2つ。
- 副大統領候補のマイク・ペンスの指名受諾演説。
- テッド・クルーズ、〈異例〉のトランプ支持拒否演説。
テッド・クルーズ、やっちゃいました。誰もを「あっ!」と言わせた驚きの奇襲。さすがクセ者です。クルーズは、予備選で最後までトランプと大統領候補を争い、敗れた上院議員(共和党/テキサス州選出)です。また、この日までトランプ支持を表明していませんでした。その彼が党大会で登壇し、どうトランプを支持するかに注目が集まっていました。
クルーズの直前にビデオ出演したマルコ・ルビオ上院議員(共和党/フロリダ州選出)。彼も予備選でトランプに敗れたひとりで、トランプ嫌いで知られています。しかし、「戦いは終わった。今は団結の時だ」と、この日は大人の振る舞い。
ルビオに続いてクルーズ登場。クルーズは演説上手の誉れが高いです。でも、私個人は、ケレン味がありすぎるのでこの人の演説は嫌いです。しかしこの日のクルーズは、アメリカの歴史、建国の意義、それを踏まえた理想のアメリカ像など、見事な演説内容。私でさえ唸りました。もちろん会場はやんやの喝采で、誰もが彼がトランプに言及する瞬間を待っていました。
が! いつまで経っても、クルーズはトランプを語ろうとしません。だんだん聴衆もなんか変かも、と気づき始めました。
しらけた表情のトランプ一家。次第に、会場からブーイングが始まり場内は騒然に。
騒然とする中、クルーズは最後までトランプ支持を表明しなかったばかりか、建国の理念=自由を掲げ、「自由意志で投票を!」と、あたかも「トランプに投票するな」と言わんばかりの発言で演説を終了。何万もの怒る人々を前に、平然と演説し続けたクルーズの根性と意志はたいしたもんだと思います。「この場でそれするか?」という当然の疑問はさておいて。
異変を感じ、急遽後方から会場入りしたトランプは、当初呆然とするもすぐに立ち直り、「俺は大丈夫だ」と手を挙げて聴衆に応える。
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